日本民謡お目出度ことば!
日本民謡お目出度ことば!
新年明けましてお目出度うございます。今年も皆様にとって良い年になります様、お祈り申し上げております。
21世紀も2年目に入りました。早いものです。
ミレニアムカウントダウンから、センチュリーカウントダウンを経て、もう1年。
その間、色々な事が日本や世界にありましたねぇ。
嬉しいこと、悲しいこと、驚いたこと、恐かったこと、考えさせられたこと・・・
でも共通しているのは、浮き世の難しさが日増しにその度合いを深めていくということです。
そう考えると新年って本当に、めでたい・・・?
まあまあ、今回はそういう理屈は抜きにして、福を呼ぶようなお目出度い話題に致しましょう。
題して「日本民謡お目出度ことば!」
♪目出度目出度の若松様よ枝も栄えて葉も茂る
花笠音頭の有名な一節ですが、若干歌詞を変えて他の民謡にも見られます。まずはこれがなくては始まりませんよね。
♪今日は可愛いわが子の門出この家若世に任せたい
隠岐祝い音頭の一節です。2コーラス目からの内容には、祝言との関連を表すシチュエーションが見られます。
世代交代がスムースなのは、そこに関わる方々の徳の高さを表す事でもあり、その意味でもやはり目出度いものです。
♪この家座敷は祝いの座敷鶴と亀とが舞い遊ぶ
地方によって歌詞に若干の差異は見られますが、座敷に鶴と亀が出てくるのは大体何処でも共通しています。
両者は千年万年と長生きする動物との謂れであり、それらが喜んで祝いの舞いを舞う姿は、
実際には有り得ませんが、何とも有難く嬉し気な光景です。故事に基づいた表現です。
♪御代も栄える千代に八千代に万々歳のご繁盛
万才くづしの一節ですが、千代八千代は他でもよく使われる言葉で、最も代表的なのが国家君が代です。
税制上、三代で潰れるなどと言われている現代にあって、この歌詞の内容は誰もが望む姿かも知れません。
♪目出度目出度が三つ重なりて庭にゃ鶴亀五葉の松
広島木遣音頭の一節で、五葉の松にオリジナリティーを感じます。
目出度い植物である松は神が宿るとされる松竹梅の筆頭格で、因みにこの三種類とも「薬」になる正に有難く目出度いものです。
通常は二葉で枯れても互いに離れない事から、睦まじい夫婦の象徴とされている松ですが、
三葉や五葉となると、非常に稀で栽培も難しいだけに目出度い松と言われています。幸真会の会章もこれに肖ったものです。
♪今年ゃ豊年穂に穂が咲いて道の小草に米が成る
豊年コイコイ節の一節です。一見豊年を祝っている様ですが、これを唄う時点ではまだ豊年にはなっていません。
題名の「コイコイ」や囃子言葉の「豊年満作さっさとこいこい」が示すように、祈りが込められている状態なのです。
科学の進歩で農業生産自体は飢餓の心配は殆どなくなりましたが、私達一人ひとりの物心両面の「豊年満作」となると、
なかなか今の浮世では難しいものがあります。だからこそ「道の小草にまでも米が成る」ような豊かさを祈るのです。
・・・以上、主だったものを思い付くまま並べてみました。
「民謡は景気の良い時に流行る音楽」だとか・・・早く明るい傾向になって欲しいものです。
経済は、処によって賑わっているものはあります。所謂「勝ち組み」「負け組み」が両極端に現れる世相なのでしょう。
それには政界での構造改革もさる事ながら、私達一人ひとりの意識改革が最も重要です。
また、世界情勢などは混沌として出口が見えません。現に日本の裏側は戦争中で、長期化の様相を呈しています。
一方、医学、科学は世界基準で正に日進月歩。特に天文学などは、早くから世界の国に分け隔てなく協力体制が出来ています。
また文化では、スポーツに於て世界最大の祭典、サッカーワールドカップ2002が間もなく開催されます。
つまり、現状の厳しさにあっても理屈抜きで世界が一つになれるものの一つが、文化なのです。
その文化で世界の中の日本を考えた場合、自国の文化として誇れるものの一つに日本民謡があると思います。
言葉の美しさは前述した通り。難しさは完成度の表れ。でもシンプルだし明るいしオリジナリティーは正に独特です。
日本民謡。この文化遺産は、後生にまで伝えられる充分な資質を持っています。
目出度目出度の若松様よ枝も栄えて葉も茂る・・・さぁみなさん。日本民謡を唄って、明るく強く楽しくいきましょう!